職人わくわく - Wakuwaku Workman -
−平成22年1月号−
事務所の目と鼻の先にある三葉商店は、お昼時となると東工大生がお弁当を買い求める列で賑わう。
私の処でも、天ぷらや煮物の味がお母さんの味と似ているなどと云いながら、500円以上買うと金券が貰えて、交代でお惣菜を味わっている。
東北から長男の嫁として迎えられ、両親の面倒を見ながら息子を東大に送り出し、朝食の準備と洗濯が終わったら、惣菜を作り始める。
おかあさんが息子に言われたこと「どこの家にもパソコンがあるのに、うちには古くて黒い電話機ひとつしかない。」
お金がなくて塾に行かせられなかったと聞くが、それでも浪人せず東大に入れる子に出会ったことがない。
おかあさんの算盤で検算する消費税の計算の速さが、息子達に引き継がれている。