職人わくわく - Wakuwaku Workman -

−平成20年5月号−

税理士になる前、昭和電線の経理課に勤めていた。
その当時、残業をしていると、上司に「女性は残業をしなくていい」と言われ、本人は鏡を見ながら鼻毛を切る日々、それが税理士試験を受けるきっかけとなった。
判断力や経営センスがある人が役員になるわけでもない。
今までの日本の大企業は、それでも潰れなかった。
それがいいところでもあり、仕事をし過ぎて精神病になる人はいなかった。
三十数年ぶりに会う先輩たち、定年まで勤めあげ、人生はそういうものだと思い、人間がやさしい。
「くそばばあ」と呼ばれていたお局様は八十歳、息子と同じ年齢の後輩に手を繋がれ、山下公園を散歩した。