職人わくわく - Wakuwaku Workman -
−平成20年2月号−
仕事が一段落すると、きまって姉さんの店に足が向う。
カウンターだけの小さな店、来る客の殆どがつわもののおばさんばかりだ。
昔モデルをやっていた、画家、ブティックの経営者、デザイナー、キャリアのOL、これがみんなおばさん。
私のように一人でふらっとやって来て、飲んで食って、自分で「ああ頑張った」と言って帰っていく。
子供のころ、母がグラタンを作ってくれ、横で焼けるのを待ちながら「あと何分?1秒2秒3秒」、そんな頃を思い出す。
強いおばさんも一人では生きていけない。
姉さんは、男がこわくて寄って来ないおばさん達のためにいつも旨い料理でもてなしてくれる。