生麦絶叫
- Exclamation of Namamugi -

仕事ばかりしている自分が、なんとも情けない。
暗室が欲しくて建てた家、タンクが錆び、現像液はドロドロしている。

ジェームス・ブラウンを聴きながら、国道駅にたどり着き、鶴見線の高架下のトンネルを貫けると、魚河岸通りに突き当たり、生麦絶叫が聞こえてくる。
大黒埠頭や扇島あたりに残っていた魚場、漁師は鶴見川河口の埋立工事で廃業に追い込まれ、多額の補償金をもらう者もいた。
税理士としての経験が浅かったころ、鶴見で水道工事業を営んでいた社長さんから相談をうけ、なにも手助けできなかった。従業員全員が元漁師、脅かされるように経営していたことを思い出す。

この元漁師達の地の血が、生麦絶叫する。