■ 宮古島ともコハウス

2008年1月

昨年は2泊3日のトンボ帰りで、ただ一度だけ行けた宮古、今年はどうなることやら。
下地明友先生の論文『風土的視点と精神科臨床』で、とりつかれた宮古。
地元病院の医療現場で、患者が「カンダーリ」と「非定型精神病」を繰り返す状態を、風土の文化と医の文化から考察したもの。
カンダーリとはシャーマン化する・癲癇ともいえ、巫女さんになる瞬間をいう。
宮古ではカンダカイ(神高い)人によく会うし、ユタ半分・医者半分とも云われ、病院の看護士さんに取材したとき「入院患者がユタの勧めで退院するのはよくあること」と聞き、自分が不思議な世界に踏み込んでしまい、気になるものの、知らないほうが良かったとも思う。
宮古のユタは地域の行事や家族の悩み事解決のため、祖先や神と交流し、普段は農作業をするおばぁだったりする。
神と人・聖と俗の境界線上をさまよう存在といえる。

渡辺哲夫著『祝祭性と狂気』は、人間そのものが非合理であることに納得し、今年からは「カンダーリ」について、いっさい忘れることにした。